デカアメ屋

 

OLをやめデカアメ屋をスタートアップすることに決めた。トラックがきて、デカアメ屋の看板を設置し、開業準備はできた。

トラックは設置の準備に使った「象型ふみ台」を置き忘れた。「ふまれつづけるのはもういや。」象型ふみ台は踏まれることを忌避し、箪笥の上に逃げた。そして、箪笥の上で想像する。山、どこまでも続く山。なぜ象型ふみ台が執拗に山々を想像するのかはわからない。しかし、その想像の山から鳥が飛んできた。

大きな黄色い鳥。大きな鳥が大好きな二人は、鳥が来てくれたことを祝福して、デカアメを一つ進呈。大きな鳥にとってデカアメは抱きしめるのにちょうどよい大きさだった。

元OL、象型ふみ台そして大きな鳥。三人は、協力してデカアメの大量生産に着手。徹夜で製造を続けた。

開店前の早朝、お客がきた。はじめてのお客は赤いワンピースを着たぽっちゃり型の奥さま。店に入ると急に服を脱ぎ始め、恥ずかしそうに風呂を貸してくれという。「キャンディショップだからお風呂は貸せない」と元OLはお断りしたが、奥さまは勝手に服を脱ぎ始めた。裸になり、目をふせて黙って立っている。すでに裸になってしまったのでやむをえずお風呂に案内する。元OLは自分も同伴で入る。お風呂には案内したものの、湯船につかるような入り方は許せなかった。ここはデカアメ屋だ、銭湯ではない。元OLはミストシャワーのスイッチをいれた。